ある作業員の告白
ひとつだけ感謝してることがある。……あのトンネル、繋げてくれてありがとな。
リュウジさんはゴニョニョたちのために工事を中止するって決めてたんだ。……でもオレはそれに反対だった。そりゃポケモンと共存しよう、自然を守ろうってのは賛成だよ。でもな、あそこが開通しないと困る奴もいるんだ。オレのばあちゃんもそうだった。……カナズミからシダケに行くまでに、あんな遠回り、してらんないからさ。
でも表立って誰も批判できないだろ? ポケモンのためって言葉が、このホウエンでどれだけ強い意味を持つか。……だから、うん、それだけは礼を言うよ。
オレのばあちゃん、やっとシダケに来れるようになってさ。オレのコンテスト、見に来てくれたんだ。やっとあんたの勇姿を見れたよって言ってくれた。
それだけ、それだけは礼を言うよ。……ありがとう。あんたにそんな気はなくてもさ、オレは、オレの家族は助かったから。……あ、内緒な? オレがこれ言ったこと内緒な? オレもあんたのこと黙っとくからさ、あんたも黙っててくれよな。
あー、なんか言いたいこと言ったらすっきりした。あんた、これからどうすんの? ……ああ、ハジツゲタウンか。次はそこだもんな。くっそ、本当はオレが行くはずだったのになあ。……ま、あんたになにがあったのか知らないけどさ、これからは真っ当に生きてくれよ。あんな騒動はもう御免だ。
「じゃあな、マグマ団。……あ、ごめん、カガリだっけ。ノーマルランク、優勝おめでとう。――悔しいけど、あんたのポケモン、綺麗だったぜ」
ある作業員の告白